ヤリスVSフィットはヤリスが販売台数で圧倒している
コロナ禍のなか、新車の販売台数は決して大きく落ち込んではいない。むしろ、コロナ禍だからこそ、パーソナルな移動が可能になるクルマの需要が高まっているともいえそうなのだ。
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そんななか、同種のクルマでも、販売台数に明暗が分かれたライバル車が目立つ。たとえば、トヨタ・ヤリスとホンダ・フィットである。ヤリスは2019年12月、フィットは2020年2月に登場したが、ご存じのとおり、ここのところ、ヤリスは国産乗用車販売ランキングでトップの座を死守し続けている。2021年だけを見ても、1月は1万8516台。2月も2万559台と、前年比588.9%の勢いで売れに売れている(もちろん1位)。
対するフィットは1月が5889台(乗用車販売ランキング10位)。2月も5782台(同12位)であり、2016年デビューのコンパクトミニバンのフリード(5928台11位)に次ぐ売れ行きとなっている。つまり、フィットはヤリスの3分の1も売れていないのだ。かつてのフィットの絶好調ぶりを知る者としては、これは異常事態!? と言っていいぐらいである。
ヤリス対フィットでは、後席の居住性、ラゲッジの使い勝手、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、電子パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能などの先進運転支援機能でフィットがリードしているのにもかかわらず、何故、フィットがヤリスに販売台数で圧倒されているのか?
その理由を考えてみると、まずはエクステリアデザインではないか。ヤリスは今流行りの尖ったデザインを採用。一方、フィットは柴犬をモチーフにしているとされる、ほんわりとしたやさしい顔つきを持つデザインだ。時代はヤリスのデザインを求めているということかもしれない(ミニバンの強面がもてはやされているように)。
そして、クルマの素人でもスペック的にわかりやすいのが燃費性能。何しろヤリスのHVモデルは35.8km/Lという世界最高峰の燃費性能を誇るのだ。対するフィットはHVのe:HEVモデル(新型フィットのHVも2モーターになった)で28.8km/L(いずれもWLTCモード)と、数字で比較すれば、燃費性能にこだわるユーザーならプリウスに代表される元祖HVメーカーのトヨタのヤリスに惹かれて当然かもしれない。
が、乗って、使って申し分のないフィットの販売台数が伸び悩んでいる理由は、それだけではなさそうだ。コンパクトなクルマは、今や軽自動車とコンパクトカーの境目がなくなりつつあり、経済的でありながら、コンパクトカー以上に使い勝手が良く、なおかつ室内も広大な、下克上的軽自動車=スーパーハイト系軽自動車が幅を利かせていることも事実。
その軽自動車の王者が、ホンダのN-BOXであることは言うまでもなく、2021年1月に1万6427台、2月に1万8591台もの販売台数を記録(当然、軽自動車中1位)。ヤリスに迫る売れ行きを記録し続けている。つまり、トヨタには、ヤリスの下に純トヨタ車(軽自動車のピクシスシリーズはダイハツからのOEM車)がいないのに対して、ホンダには売れ筋の軽自動車がNシリーズとして多数揃っていて、それにフィットの販売台数が一部、食われている……と考えても良さそうなのである。実際、経済性に優れ、そしてターボモデルを選べば高速走行もバッチリこなしてくれるのが、今の軽自動車、N-BOXなのである。敵は身内にいた、ということではないか。
最新装備をそろえた切り札をもつモデルに人気が集まった
次に、今では国産車として希少な存在となったミドルクラスのステーショナリーワゴンである。ワゴン専用車で見ると、2021年1月の新車販売台数はスバル・レヴォーグが14位の4692台で最上位。2月も20位ながら3677台を販売し、以前、国産ワゴン最上位につけている。
一方で、マツダの旧姓アテンザワゴン、今ではマツダ6と呼ばれるステーションワゴンは、国産乗用車販売台数ランキングの50位にも入っていない。
が、ここは比較的わかりやすい。マツダ6がMCで名称変更する前のアテンザワゴンは2012年11月のデビューであり、基本的には9年前のモデル。マツダが積極的に仕様変更を行っていても、やはり基本的な古さは隠せない。
その点、日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021を受賞した新型レヴォーグは2020年10月のデビューと新しく、乗り込んですぐに新しさを実感できる縦型で大型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを採用するとともに、アイサイトの最新進化版である、高度運転支援システムの、渋滞時ハンズオフドライブやカーブ&料金所前速度制御、車線変更アシストなどを行ってくれるアイサイトX、さらにスポーツワゴンとしての資質を大きく高めるSTIスポーツグレードまでを用意しているのだから、マツダのフラックシップワゴンとはいえ、アイサイトXのような切り札を持たないマツダ6が霞んで見えてしまうのは当然かもしれない。
いや、今のマツダ車は、CX-30、ピュアEVもあるMX-30、そしてCX-3、CX-5、CX-8といったクロスオーバーSUV、SUVに人気が集中しているのが、マツダ6の販売台数を伸び悩ませる理由、とも言えそうだ。
そのほかにも、各社のフラッグシップミニバンでは、トヨタ・アルファード(2021年2月の乗用車販売台数3位!!の1万107台)が圧勝。MCを行ったばかりのホンダ・オデッセイ(同38位、1583台)、日産エルグランド(同50位以下)の明暗が鮮明だ。こちらはアルファードのボックス型ならではの風格、フォーマル感、顔つきの立派さ、室内空間のゆとり、2列目席の豪華さ、助手席の秘書向け装備など、ライバルにない魅力が、VIPを含むユーザーにウケているということだろう。
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みんなのコメント
カローラワゴンに尖ったエンジン積めばライバルになると思うけど
ライバルにマツダ6を上げる人っているの?
文具。。。